歯科技工所の新人さんたち
沖縄の人はイケメン慣れしてる?
所長が上機嫌で私たちに紹介した2名のうちの年上シンパパの高良さんは特に大きな特徴は感じなかったんですが、もうひとりの真栄平さんと言うイケメンさんは「何がどう間違ってこんな所に?」と、特にイケメンさんに免疫のないわたしには驚きの存在でしたが、わたし以外の面々にはイケメンの衝撃があまりなかったように感じました。
そりゃあね、沖縄では男女ともに顔立ち濃い目の美形がウロウロしていて、目が慣れてしまうのかもしれないですね。
南こうせつだったかと思うんですが、沖縄に初めてコンサートで来た時に客席を見て「南沙織がたくさんいる!」って思ったらしいくらいレベルが高いみたいなので、所長なんかは「昔は俺もこんなだった」程度に流しているような気もするし、他の人も特に真栄平さんをイケメンだとは認識していないようでした。
イケメンさんだけ辞めちゃうなんて
新人さんたちが増えて2週間くらい経った頃、所長を除くみんなで食事会をしたんです。
もうそろそろここのラボがヤバいことくらい、新人さんたちも気付くだろうと思っていたんです。
分かっていないようだったらバラしちゃおう、とかって感じで「ふたりはどうしてこのラボに来たの?」って聞いてみたんです。
「わかるよね、このラボはヤバいって」と言ったら、高良さんが「はー?なにがヤバいから?」とケンカ腰で言うので、それに気押されてそれ以上のことは言えなかったんですが、その数日後、イケメンの真栄平さんだけ仕事に来なくなりました。
「所長、真栄平さん来てないですね」と言ってもムスッとしているし、イケメンくんが来ないんだったらわたしだってお休みしたいくらいです。
何日か経って儀間くんが高良さんに聞いたと言って教えてくれたんですが、真栄平さんは軍雇用員に転職したんだそうです。
「お給料が手取り8万円でも問題がない理由」こちらの記事でも書きましたが、軍雇用員ってそんなに簡単になりたいと言ってなれるものではなくて、よほどのコネでもない限りむずかしいんじゃないかと思うんですよね。
真栄平さんにはコネがなかったみたいなので、間に立ってくれた人に75万円支払ったそうです。
20代の若者に75万円は大金ですよね。
そのお金は真栄平さんがお母さんに借りたそうで、ボーナスですぐに返せると言っていたそうです。
こんなところにもコネ主義がモノを言っているのかと思うと切なくなりました。
まとめ
沖縄の就職難と働くことの難しさをわたしの体験をベースにまとめてみましたがいかがでしたか。
イケメンの真栄平さんがめでたく軍雇用員になったのと何日かの差でわたしも職業訓練校の試験に合格していたので、そのまま歯科技工所は辞めました。
続けてふたりもやめてしまって所長は不機嫌だったそうですが、やめてしまえば関係ないです。
わたしは半年間かけて日商簿記の3級に合格して、あとはワープロとかパソコンにさわってブラインドタッチができるようになりました。
事務員ってやったことがなかったのでそういう仕事をやってみたくてたまらなかったんです。
希望が大きく広がりました。
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