コザの街に住みたかった理由
極私的エロス・恋歌1975
沖縄に住むならコザの街。
とわたしが頑固に考えた理由は、ほとんどお話ししていません。
一本の映画が人生変えちゃうとか、いい大人がいい加減こっ恥ずかしかったのと、「極私的エロス・恋歌1975」と言う映画があまりにもマイナーで、わかってくれる人がいなかったからです。
いくらマイナーな映画とは言え、沖縄も舞台にしている映画なので、沖縄に移住してからは何度か見る機会があったんです。
ある時は監督のトークショー付きでした。
その時質疑応答があったので、わたしは全身の勇気を振り絞って、札幌からコザに来たのはこの映画を見たからだと伝えたんです。
すると監督はニコニコ笑いながら「いやーこの映画はなるべく沖縄っぽさを出さないように意識して撮ったんですよ」って言われちゃいました。
えー?あんなにコザの要素が滴りだしてるのに?って思ったんですが作られたご本人がおっしゃるんだからそうなんでしょうね。
雪の街の映画好きな女の子
高校を卒業した頃からわたしは映画をよく見るようになりました。
札幌駅周辺が再開発される前なんですけれど、駅の近くに「駅裏8号倉庫」みたいなレンガ造りの倉庫をそのまんま転用したホールがあって、おもしろそうな映画を上映していたら見に行っていたんです。
そこで「極私的ー」を初めて見たんです。
同棲中の恋人が復帰前の沖縄に急に移住しちゃう、ってお話で、彼女を追って監督も沖縄に来て彼女を撮っていくドキュメンタリー映画なんですけれど、復帰前のコザの街に独特のリズムがあって魅力的に見えました。
沖縄にきた彼女が恋人だった監督に宛てた手紙の住所から察するに、昔は黒人街と言われたコザ十字路付近に住んでいるみたいで、すぐにハーニーこと黒人の彼氏ができてやがておめでたしちゃいます。
監督は彼女の出産を撮ることに決める。
と言った内容の映画です。
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ご覧になりたい方はどうぞ。
コザの街ってすげぇ
何がすごかったかって、コザの黒人街の圧倒的な光と音です。
小さな飲み屋さんなのに光と音がすごいんです。
これが日常になるなら、「沖縄っていいかも。くさそうだけど」って18か19歳の頭にはしっかりと刷り込まれてしまったんです。
それから沖縄の人たちの言葉のリズムがとても新鮮に聞こえました。
札幌と言う街は移民の子倅の集合体で、それぞれの方言で話していたら収拾がつかないので、日本一フラットな日本語のイントネーションで話すと言われているので、この映画を最初に見たときには何を話しているのか意味がさっぱり分かりませんでした。
それで沖縄に住もうって話になったときに、コザの街推しをしてから決まったんです。
だからわたしは沖縄の海や自然が好きで沖縄移住したわけではないんです。
スローライフにもあこがれてないですね。
まとめ
「えっ、そんなことで沖縄移住しちゃうの?」って思われちゃうかもしれませんが、沖縄と言えばわたしの中ではコザの街なんです。
あれからコザの街が舞台の映画を何本か見ましたが、圧倒的にコザの街も主役を主張しているんです。
どんなに寂れてもそのままの姿で主役を主張する街。
こんな街はそんなに多くはないと思います。
わたしはコザの街が大好きです。
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